昨日は「バグダッドの盗賊」(1961年)を観終わりましたので、その事について書きます。
バグダッドの盗賊」といったら、サイレント時代のアクション大スター、ダグラス・フェアバンクスが主演した24年版と、とても第2次世界大戦中に作られたとは思えない40年版が有名ですが、この1961年版は「ヘラクレス」(1958)の大ヒットにより、すっかりソード&サンダル映画界のスターになった、スティーヴ・リーヴスが主人公を演じております。
一応24年版の換骨奪胎作品だそうですが、ストーリーや主人公のキャラクター性、透明になれるマントやペガサスの登場を考えますと、なるほど確かにそれっぽい。
しかし24年版や40年版と異なり、殆ど会話シーンばかりがメインで盛り上がりがなく、全体的に単調であり、同じ「バグダッドの盗賊」でもこうも違うのかと思ってしまいました。
またリーヴスはヘラクレスの時とは違って、口の部分に髭を少しだけ生やしているだけで、おそらくオリジナルのダグラス・フェアバンクスを意識したのではないかと思いますが、派手なアクションシーンがあるわけでもなく、格闘シーンも動きにわざとらしさがあって、イマイチ迫力に欠けていました。
また登場するモンスターが、ペガサスと植物怪物だけというのは、はっきり言って物足りないです。
先代の方も決してモンスターの出番が多かったわけではありませんが、ドラゴンや動く人型の木、巨大コウモリ、巨大水蜘蛛、ペガサス(ここまでが24年版に登場したモンスター)、空飛ぶ機械仕掛けの馬、ダンスをする6本腕の人形、自分のテリトリーに入った者を容赦なく襲う巨大蜘蛛、そしてアラビアンナイトではもうすっかりお馴染みの、ランプの精ジニーなど(これが40年版に登場したモンスター)、種類が多くてなおかつ魅力もありましたので(特に40年版)、観ているだけでも十分楽しめました。
セットの出来についても何だか安っぽくて、幻想的で神秘的な感じがなかったのもいただけなかったです。
ちなみにこの61年版は、ビデオやDVDなどの発売が一切ないのですが、それが分かるような気がしました。
後の78年版(「猿の惑星」(1968)のコーネリアスで有名な、ロディ・マクドウォールが主演しています)と、どっこいどっこいといった感じです…。
正直言いますと、「バグダッドの盗賊」は24年版と40年版があれば、もう十分ですね。


本編はこれ↓