今日で今までYouTubeで観ていた「人間タンク」を観終わりましたので、その事について書きます。


ストーリー
国際特許会社は、反トラスト法に違反した活動を隠していた。社長のブレントはそのことで良心の呵責に苛まれていたが、副社長のバルコンはそんなブレントに対して不満を抱いていた。ある日、ブレントの元にマダガスカルを訪れていた部下が戻ってきて、人間の脳を移植した人型ロボットについて報告する。その夜、その人型ロボットがブレントの家にやって来て、毒入りの蝋燭を使ってブレントを狂気に陥らせる。社員に成りすまして国際特許会社の活動を監視していた司法省のロックが疑われるが、嫌疑は晴れる。その後、人型ロボットとその一味はブレントの家へやって来て、ブレントの娘を誘拐しようとする。ロックはそれを阻止しようとするが、結局は拘束着を着せられてしまう。


解説&感想
ロボットが登場する連続活劇。
ロボットが初めて映画に登場した作品といったら、フリッツ・ラングの「メトロポリス」のイメージがありましたので、それ以前にもロボットが登場する作品があった事は正直驚きました(ただし当時はロボットという単語がまだ出来る前だったので、オートマトンやメカニカルマンと呼ばれているのが興味深い)。
実はこの「人間タンク」、今までタイトルとポスターだけなら見た事があったのですが、「モンスターパニック―超空想生物大百科」で存在を知った時は文章のみの紹介で、「SF映画100年史」で紹介された時はポスターのみで、タイトルや劇中の映像も登場しなかった為(その事もあって、最初は昔のSF小説の表紙だと勘違いした)、実は両者が同じ物であった事を知ったのは今年に入ってからです。
実際観ての感想ですが、人間ドラマの方がメインに描かれており、ロボット(Qという名前があるらしい)は思ったより出番は少なかったです。
ただ後のロボット映画と違う所は、ロボットが悪の手先ではなく、悪人達のリーダーとして描かれていた事でしょう。
ロボットが悪役として登場する作品は沢山あっても、集団のリーダーとして人間達に指示するというのは、本作のみではないでしょうか?
実はこのロボット、本物ではなく中に人間が入っていた着ぐるみであった事が明らかになるそうですが、YouTubeではそこまで描かれておらず(現存していない映像がいくつかあるせいなのか、動画の投稿者が全話を投稿していないだけなのかどうかは不明)、残念ながら観る事は出来ませんでした。
ちなみに淀川長治さんも、本作をリアルタイムで観た事があるみたいです。


スタッフ
監督:ハリー・グロスマン、バートン・キング
製作:B・A・ロルフェ
脚本:チャ−ルズ・A・ローグ、アーサー・B・リーヴ


キャスト
クエンティン・ロック:ハリー・フーディニ
エヴァ・ブレント:マーガレット・マーシュ
ジータ・ダーン:ラス・ストーンハウス
デ・ラックス・ドラ:エドナ・ブリットン
ポール・バルコム:ウイリアム・パイク
ヘルベルト・バルコム:チャールズ・グラハム
ピーター・ブレント:ジャック・バーンズ
Q・ザ・オートマトン:フロイド・バックレイ


サイレント映画専門店と言っても過言ではない、アメリカのビデオ販売会社・KINOビデオが作った予告編です↓

本編はこちらで観られます(あまりにも数が多過ぎて、今までみたいにやるのは大変なので、これで勘弁してください。全20話です)→houdini The Master Mystery (1920) - YouTube



1枚目:Magician Harry Houdini Silent Movie Star and Director
2枚目:The Master Mystery


参考
ストーリー紹介「人間タンク」 - 映画中毒者の映画の歴史
淀長フォーエバー15 ロボコップ
モンスターパニック―超空想生物大百科
SF映画100年史
SF MOVIE DataBank:人間タンク