昨日と今日で、アルフレッド・ヒッチコックが手掛けた「鳥」(1963)を観ました。
これを借りた理由は、このブログを観ている方の1人、光を持つ者さんが勧めてくれたからです(詳しくは、こちら)。
ストーリーは至ってシンプルであり、カモメやカラスやスズメなどの鳥に襲われて、パニックになる人々を描いたものです。
鳥は確かに人を襲ったり殺したりするのですが、その理由は一切不明で(ウィキペディアによると、原作では厳寒によるエサの激減らしい)、まるで通り魔を思わせます。
主人公達をずっと集団で見つめているシーンや、ドアの向こうで何か音がしたと思ってドアを開けたら、1羽の鳥が死んでいるのも不気味で、しかもこれらの鳥の顔がはっきり映らないシーンがあったり、BGMがないまったくない代わりに、鳥の鳴き声や羽撃く音が聞こえてくるのが、より一層怖さを出していました。
どこにでもいるごく普通の鳥が、まるで恐ろしい怪物に見えました。
しかも作り物ではなく、全部本物を使っている事もあって、妙に現実感があるのが余計に怖い…。
ちなみにこの映画は「モンスターパニック―超空想生物大百科 (Million mook―新映画宝庫) (単行本)」や「モンスターパニックReturns!―怪獣無法地帯 (Million mook―新映画宝庫) (単行本)」といった、様々な怪獣映画やモンスター映画を扱った本でも紹介されていましたが、それが分かる気がしました。
未知の生物でも異形の生物でもなくても、見方ややり方次第で怪物になってしまうのが、よく分かりました。
しかしそれ以上に怖いのは、やはり人間でしょう。
巻き込まれてヒロインと一緒に鳥に襲われたからという理由で、「あんたが来たから、あの鳥達が来て襲ったんだ!!」と責任を擦り付けようとするのですから、人間というのは何と身勝手な生き物でありましょうか。
今でこそカモメやカラスなどの鳥が、理由なく人間を襲うという事はありませんが、人間がこの地球の環境を破壊し、動植物達の生活を壊している事は確かです。
もし人類がこれ以上地球を破壊し続けたら、本当に鳥が人間を襲ったりするかもしれません…。



1枚目の画像はhttp--www.foriegnmoviesddl.com-2007-09-birds-1963-alfred-hitchcock.htmlからで、2枚目はLaurens As MediaStudies Coursework Blog The Birdsからで、3枚目はre Miles's Unseen Films Thread Magnoliaからの流用。




動画もありましたので、もし良ければどうぞ。
鳥の襲撃で火事が起き、そこで人々が逃げ惑うシーンが、何だか空襲のようにも見えます。
The Birds (1963) - Scene"The Birds" - scene

これを借りる時に驚いた事があるのですが、何だか最近の若い人って、ヒッチコック知らないらしいんですよね。
ヒッチコックの鳥やサイコを捜しているのですがと言ったのですが、その女性店員は何の事か分からないようで、アルフレッド・ヒッチコックというタイトルの映画があるのですか?みたいな事を言っていました。
ヒッチコックは超有名な映画監督だから、普通それぐらい知っていると思うだけどな…。