今日はもう数日前の事となりますが、買ったDVDの「カリガリ博士」(1919)を観ましたので、その事について書きます。


ドイツのとある村に、カリガリ博士という謎の人物がやって来て、気味の悪い眠り男のチェザーレを使った、占いをやっていた。
フランシスとアランは面白そうだと思い、アランの方は冗談で自分の寿命は後どれくらい?と聴くが、明日には死ぬという、とんでもない答えが返ってきた。
すると次の日になって、アランは何者かに殺されていた。
実はそれ以前にも、1人の役場の職員がカリガリ博士を邪険に扱った為、何者かに殺された事件があった。
カリガリ博士を疑ったフランシスは、自分が思いを寄せるジェーンとその父親と協力して、博士の後を追うが…。


ドイツ表現主義として有名で、高い評価を得ている作品。
実は僕、中学2年生ぐらいに初めて観て以来、何回か観た事あったのですが、何だか面白くない、奇怪で奇妙な雰囲気が漂っているセットは良いけど、最後の部分がよく分からないなどと、あまり良いイメージはありませんでした。
ですが、ウィキペディアに書いてある事を参考にして観たら、やっと意味がはっきりと分かりました。
ネタバレとなりますが、カリガリ博士の事件はフランシスの妄想に過ぎず、カリガリ博士は決して凶悪な犯罪者ではなく、精神病院の院長に過ぎず、チェザーレもそこの病院にいる、ごく普通の患者に過ぎない。
つまり彼ら達を勝手に悪者扱いして、妄想していたフランシスの方が、本当の精神異常者だったというオチです。
実は映画本編にもこの事がちゃんと字幕で書いてあり、観ていれば分かる事なのですが、それに気が付かなかったなんて、本当に間抜けな話ですよね(苦笑)。
ここでも同じ事を書きましたが、シルバー假面シルバー仮面のリメイク版ではなく、やはりカリガリ博士のリメイク版かな?と思えてしまいます。
カリガリ博士が「さぁ〜さぁ〜寄ってらっしゃい!!見てらっしゃい!!」とお客さんを集めて、部下のチェザーレを使って予言を見せたり殺人を犯す所が、本当によく似ています。
さらにラストになると、フリッツ・ラングが手掛けた「メトロポリス」に登場した、ロボマリアが登場しますし、その事を考えると、これはサイレント時代のドイツ映画に対するオマージュ、またはリメイクなのではないかなと思います。
それと「シルバー假面3」のラストシーンでは、カリガリ博士が去った後に、あの悪名高きアドルフ・ヒトラーが登場するのですが、それは「カリガリからヒトラーへ」を意識したのでしょうか?
また本編とは関係ない話になりますが、ドイツってサイレントの頃は世界的に有名な名作を生んできたのに、なんでトーキーの時代になった途端、絶滅したかのように消えてしまったんだろうと不思議に思っていたのですが、それは淀川長治さんの解説によると、ヒトラーによってみんな壊されてしまったかららしいです。
なるほどね…。



1枚目の画像はThe Cabinet of Dr. Caligari Poster - Internet Movie Poster Awards Galleryから、2枚目はFilm Noir Photos January 2009から、3枚目はThe Birth of the Horror Film German Expressionism and The Cabinet of Doctor Caligari « randomcrusaderから。


スタッフ

監督:ローベルト・ヴィーネ
製作:エリッヒ・ポマー
脚本:ハンス・ヤノヴィッツカール・マイヤー


キャスト

カリガリ博士:ヴェルナー・クラウス
チェザーレ:コンラート・ファイト


動画もありますので、もし良ければどうぞ。
前にも紹介した事がある動画ですが、「カリガリ博士」を象徴・代表するシーンといったら、これだと思いましたので(笑)↓


そして「シルバー假面」の動画です。
これも以前紹介した事がある動画ですが、本作のリメイク・オマージュといえる作品なので、ちょっと面白味が出ると思い、もう一度貼る事にしました↓

参考はカリガリ博士 - Wikipedia