昨日はウルトラ5番目の使い魔を読みましたので、その事について書きます。



ここはカトレアが領主を勤めるラ・フォンティーヌ領。
それは様々な怪獣や動物達が、何不自由なく暮らしている楽園のような世界。
忙しくはあるものの、カトレアは実に楽しくて、充実な生活を送っていた。
だがそんなラ・フォンティーヌ領に、恐ろしい敵が侵入して来たのだった。
いつものように怪獣たちと一日を過ごし、夜もふけてカトレアがそろそろベッドに入ろうかと思ったときだった。
ふと窓の外を見ると、南の空、ガリア方面の空から一条の光が走り、それは近隣の森へと一直線に吸い込まれていった。
森に住む生き物のことを案じたカトレアは、すぐに流れ星が落ちた場所へと飛んでいった。
落下で森の木々が焼け爛れて倒れているその中心に、ネズミのような小動物がいた。
ギャビッシュと名付けられたその小動物を、カトレアは連れて帰るが、それが来てから動物達が次々と殺される妙な事件が発生した。
カトレアはまだ生きている動物達を治療しながらも、ヤマワラワ達と一緒に犯人を捜すが、そこでバッタリとあの青い小動物ギャビッシュと会った。
あなたも無事で良かったと歩み寄ろうとするが、ヤマワラワはそうしようとするカトレアの手をつかんで、強い力で引き戻した。
一体どうしたの?と困惑するカトレアだったが、様子が変なのはヤマワラワだけではなかった。
そう、他の動物達もまるでカトレアを守るように取り囲んでいて、ギャビッシュの方を睨み付けていたのだった。
まさかと思ったそんな時、ギャビッシュの笑った口から、血がたらりと出て来た。
ギャビッシュが動物達を殺した犯人と分かったカトレアは、杖を手に取り、奴を睨み付けた。
するとギャビッシュは、本性を表し凶悪な顔に変わり、2メートル程の大きさに巨大化して、カトレアに襲い掛かった。
カトレアは魔法で奴の動きを止め、今の内に逃げるよう動物達に言うが、経験の浅い若い犬と狼が、ギャビッシュに飛び掛かってしまった。
戻るように必死に言ったが、ギャビッシュは口から出した白色の針状光線で、その犬と狼を容赦なく殺したのだった。
大切な家族を殺されて怒りに燃えたカトレアは、巨大なゴーレムを作りギャビッシュを踏み潰そうとするが、奴はさらに巨大化し70メートル程の大きさになった。
カトレアは必死に戦うが、身のこなしや武器の威力では敵わず、苦戦してしまう。
だがそんな時、ウルフガスの遠吠えを聴いて、シュガロン・リトラ・ヤマワラワが助けにやって来た。
彼らに励まされ、一緒にギャビッシュを倒そうとするが、卑怯な事に奴はカトレアを自分の目の中に閉じ込めてしまった!!
彼女を人質にされ、手も足も出せない3匹は、一方的に甚振られてしまう。
責任を感じたカトレアは、怪獣達を助ける為に自殺しようとするが、そんな時に姉のエレオノールから貰った、護身用の仕掛けペンダントに触れた。
そこには催涙ガスが入っており、これのおかげで何とか脱出に成功した。
スカイドンやゴーストロンも助けに駆け付け、このまま勝利するかのように思われていた。
しかしギャビッシュは、彼らの見ている目の前で、カトレアを殺そうと企む。
だがそんな時、リトラが我が身を犠牲にして彼女を救った。
けれど、それでもなお執念深くカトレアをギャビッシュは狙おうとするが、リトラがシトロネラアシッドを出し、奴に大ダメージを与えた。
他の怪獣達も総攻撃をし、ギャビッシュは遂に断末魔の叫びをあげて、青い炎に包まれて絶命した。
戦いには勝利したが、リトラを初め、多くの動物達が犠牲になった。
その後カトレアは怪我をしている子狐を拾い、新しい仲間に加えるが、そんな彼女をムゲラが優しく見守っていた。



今回のエピソードについてですが、個人的には今まで読んできたウル魔の中では、一番好きなエピソードです。
何より嬉しいのは、原作では無害で大人しい性格であったにも関わらず、人間やウルトラマン達に危険視されて殺されてしまった怪獣が、このエピソードでは完全に味方として登場している事です。
彼らが可哀想だったので、味方になってくれたのは本当に良かったです。
そもそも、どうして原作では殺されなければならなかったのでしょうか?
何だか怪獣だからという理由で攻撃し、殺してしまう人間やウルトラマンの方が悪者のように思えてしまいます。
だから、これが彼らの本来のあるべき姿ではないかと思います。
ストーリーについても、勧善懲悪の分かりやすい物で、なおかつ苦戦しながらも、みんなで協力して悪を倒すという、最高に燃える物で、おまけに怪獣の原作以上に敬意と愛情がある作りから、是非読んでほしいエピソードです。
しかし唯一の不満といいましたら、ゴルドンとダンガーがカトレアを助けに来ることがなかった事ですね…。
せっかく味方として登場したのに、勿体ない…。
自分の主人と住処が荒らされてるんだから、それを守る為に戦えよと…。

カトレアは何だかナウシカやサンのような、ジブリヒロインに近いものを感じます。
また「サムライスピリッツ」シリーズの、ナコルルも思わせます。
画像はWeiβ Schwarz > ゼロの使い魔 > レア > カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ファンティーヌ 【RR】から。




ダンガー(演:遠矢孝信)


洞窟で眠っている、レゲエの黒人歌手のような怪獣。
怒ると怖いが、刺激を与えない限り大人しい。
彼の安息を守る為、ダンガーの住んでいる洞窟の入り口は、カトレアによって塞がれる事になった。
それが理由な為か、カトレア救出に駆け付ける事はなかった。


画像はHEROブログ〜風と光の戦士たち ダンガーから。
参考:帰ってきたウルトラマン - Wikipedia




ゴーストロン(演:遠矢孝信)

アーストロン似の怪獣。
ゴルドンとは縄張りの関係で対立しており、揉め事を起こしそうになるが、争い事を好まないカトレアによって眠らされ、また喧嘩しないようにする為に、彼女のゴーレムによって別の場所に連れて行かれた。
その後はカトレアを救出する為に出現し、他の怪獣達と協力してギャビッシュと戦う。
鳴き声は「ウルトラマン」(第16話)に登場した時の、小さいバルタン星人軍団が発していた音のアレンジ。


画像はHEROブログ〜風と光の戦士たちゴーストロンから。
参考はゴーストロン - Wikipedia




ゴルドン(演:扇幸二)

眠っているゴーストロンの近くに姿を現わした、全身金色の怪獣。
ゴーストロンと縄張り争いをしそうになるが、カトレアによって眠らされてしまった。
仲の悪いゴーストロンが一緒だったかどうかは不明だが、カトレア救出に駆け付けて来る事はなかった。


画像は黄金怪獣 ゴルドン 怪獣爆裂地帯!!から。
参考はウルトラマンの登場怪獣 - Wikipediaから。




ギャビッシュ(演:三村幸司、北岡久貴(中間体))

今回の事件を引き起こした張本人。
何らかの哺乳類に似た姿をしているが、かなり知能が高く尚且つ残忍で冷酷な性格。
ネズミのような小動物の姿に変身してカトレアを騙し、多くの動物達を襲ったり殺害した。
その頭の良さと凶悪さで、カトレア達を苦しめるが、リトラが出したシトロネラアシッドを食らって苦しみ、さらに怪獣達の総攻撃によって死亡した。


画像はギャビッシュ - 怪獣wiki特撮大百科事典 - livedoor Wiki(ウィキ)から。
参考はウルトラマンダイナの登場怪獣 - Wikipedia




今回のエピソードに合いそうな曲がありましたので、また紹介したいと思います。

スター・ウォーズ エピソード1」のラストバトルで、クワイガンがダース・モールにやられた時に出るBGMです(2:58くらいに出て来る)。
自分が見ている目の前で仲間がやられるというショックを描いていることもあり、カトレアが見ている前でリトラがやられる部分で流すのが一番良いと思います。
文章で言うと「だが、怪獣たちの中で唯一、ギャビッシュの攻撃に反応できたリトラが、素早く飛び込んでくると、その身を挺してカトレアを針状光線から守った。 「あっ! あああっ!」決して大きくないリトラの体が針状光線に貫かれ、羽毛やうろこ、そして鮮血を空に飛び散らせる。 間一髪、カトレアはリトラの犠牲で救われた」ぐらいです。
今思いましたが、ダース・モールを倒した後、死の直前のクワイガンのシーンで流れるBGM(4:56くらいにある)も、戦いに勝ったけど、リトラが死亡するシーンで流すのに、ぴったり合うと思います。状況がほぼ同じというのもありますが(笑)。
文章で言うと「しかし……勝利の影で一つの命が消えようとしていた。」から、「生き残った動物たちが片時も離れずに彼女を守り続けていたという。」までです。





スター・ウォーズ エピソード6」にある、ダース・ベイダーアナキン・スカイウォーカーの火葬シーンで流れるBGMです(0:04ぐらいにある)。
初めはエピソード1にある、クワイガンの火葬シーンで流れるBGMと、どっちが良いか迷いましたが、文章を読んでみた結果、こちらの方が合っていると思いました。
その文章とは「その後、怪獣たちに争いが起きないように見て回ると、もう二度と主が帰ることのなくなったリトラの巣を焼き払った。「……」燃え上がる巣を見上げて、カトレアは最後まで一言も発することはなかった。」の部分です。


ウルトラ5番目の使い魔 第2部 第22話「ものいわぬ友だち」は、こちら