昨日は駅の近くにある図書館で借りた「マンクスマン」を観ましたので、その事について書きます。



漁師のピートは旅籠の娘ケイトに惚れており、彼女と結婚を望んでいた。
しかし彼女の両親に反対され、何とか認めてもらえるように海へ旅立つ事を決意する。
彼は幼馴染の親友である弁護士のフィリップに、ケイトを任せて海へ行くが、その船が事故に遭ってしまう。
何とか生きていたピートだったが、ケイトはピートが生きている事を知った途端、もうピートの事が愛せなくなり、フィリップに好意を寄せていた。
そんな事も知らずにピートは、ケイトと結婚し子供も生まれたが…。



巨匠アルフレッド・ヒッチコックが手掛けた、最後のサイレント映画
ヒッチコックは本当はサイレント時代から映画を手掛けている大御所なのに、何故かいつも注目されるのは「サイコ」や「鳥」といった、トーキーの時代に入ってからの作品ばかりで、サイレント時代の事についてはなにそれ?おいしいの?と言わんばかりに存在が無視されており、まるで最初からなかったかのようになっている感じがするので、あえて観てみる事にしました。ヒッチコックサイレント映画は、どんな感じなのか観てみたかったですし。
ヒッチコック=サスペンスのイメージが強いですが、本作はサスペンス要素はないも同然で、男女達の三角関係を描いたメロドラマとなっています。
とは言え、ヒロインのケイトがあまりにも身勝手過ぎちゃって、全然好感持てませんでした…。
最初はピートが好きだったくせに、彼が死んだ途端にピートの事なんかどうでも良くなり(実は生きていたにもかかわらず…)、あっさりフィリップの方に付くなど、ビッチ過ぎてムカつきました。
ラストシーンでもケイトはフィリップと結ばれて、ピートとの間に生まれた子供もその2人の方に行ってしまい、結果ピートは1人ぼっちになってしまうのですから、あまりにも可哀想過ぎます。
こんなに嫌いな映画ヒロインは、初めてです。とにかくケイトのビッチっぷりが印象に残った映画でした。


スタッフ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ホール・ケイン
脚本:エリオット・スタナード
撮影:ジャック・E・コックス、マイケル・パウエル(ノンクレジット)



キャスト
ピート:カール・ブリッソン
フィリップ:マルコム・キーン
ケイト:アニー・オンドラ


動画もありますので、もし良ければどうぞ↓

アイ・ヴィ・シーから出ているバージョンとは違いますが、音楽はこちらの方が合っていると思います。
基本的にアイ・ヴィ・シーから出ているサイレント映画は、U.S.A BLESSが音楽を担当していますが、「マンクスマン」ではクラシック音楽の垂れ流しといった感じでイマイチでした(実際「何でこのシーンで、この音楽なの?」と言いたくなるシーンがありましたし)。
まぁ「Hollywood Club 幻の洋画劇場」みたいに、明らかに合わないロックミュージックを付けられるよりは、遥かにマシですが(笑)。実際ここでも、そう言われてましたし(笑)。


1枚目はマンクスマンからで、2枚目はThe Manxman (1929) « Cinema Sightsから。

参考:マンクスマン - みんなのシネマレビュー