今日は注文していた、「剣とサンダルの挽歌」が届きました。
これは1950年代の終わり頃から60年代の初め頃まで、当時イタリアでブームになっていたソード&サンダル映画を題材にした本で、前からこの手のジャンルに興味があった事もあり、購入する事にしました。
しかしソード&サンダル映画は、日本ではビデオやDVDが一切ない為まったく観られない状態なのに、本のみが出るとは何だか変な感じです(笑)。
本が分厚いので読むのに時間が掛かりそうですが、空いている時間を使ってじっくり読んでいこうと思います。

さてソード&サンダル映画といいましたら、スティーヴ・リーヴスの存在は外せないでしょう。
キング・オブ・ボディビルディングと呼ばれた伝説的なボディビルダーで、その肉体美と端正の顔立ちから映画界にスカウトされ、俳優としても活動するようになり、やがて「ヘラクレス」のヒットにより世界的なスターになって、ソード&サンダルのブームを起こしました。
それ以降もこの手のジャンルに数多く出演し、一昔前でいうシュワちゃんのような存在で人気がありました。
元々ソード&サンダル映画は、サイレントの頃から作られていたのですが(「カビリア」など)、もしリーヴスがいなかったから、ここまで人気と知名度が出る事もなかったでしょうし、まさにリーヴスがいてこその、ソード&サンダルと言っても過言ではないでしょう。
2000年に惜しくも亡くなりましたが、今現在でも多くの人々の心を掴んでおり愛されているようです。
ちなみに「ロッキー」シリーズや「ランボー」シリーズで有名なシルヴェスター・スタローンは、リーヴスに憧れて体を鍛えるようになったらしいです。



一応雰囲気を出す為に、動画もどうぞ。
僕の趣味という事もありまして、怪獣が出ている所ばかりですが(笑)。

上にも書いたように、スティーヴ・リーヴスの出世作で、ソード&サンダル映画の名作「ヘラクレス」です。
同じ原作を後にレイ・ハリーハウゼンが映画化した「アルゴ探検隊の大冒険」と比べますと、流石に地味ですが、猛獣やドラゴンとの死闘など、「アルゴ〜」とはまた違った良さや魅力があります。




「豪勇ゴライアス」です。
レイ・ハリーハウゼンが手掛けた「シンドバッド7回目の航海」の影響を受けているせいか、他のソード&サンダルと比べますと、モンスターの出番が若干多いような気がします。
しかしこのドラゴン、初登場シーンでは岩場の上にいたのに、主人公と戦うシーンでは岩と岩の隙間から頭を出しているだけになっており、映像の作りや演出に矛盾が見られます。
まぁジム・ダンフォースによるコマ撮りのシーンは後付けだから、仕方ないと言えば仕方ないのだろうか…。
ちなみにこの動画は、オリジナル版とアメリカ公開バージョンの比較映像のようです。
てっきり音声が違う事(主役のマーク・フォレストはアメリカ公開バージョンでは本人の肉声だろうけど、本家では多分別人による吹き替え)、主人公の名前がヘラクレス(オリジナル版)かゴライアス(アメリカ公開バージョンと日本公開バージョン)ぐらいしか違うだけだと思っていたのですが、一部の音楽が違っていたりカットされてるシーンが結構あったりなど違いがいくつかあり、大変興味深かったです。
僕が以前観たのはアメリカ公開バージョンでしたが、オリジナル版がどういう作りになっているのか気になる所です。





「Gli Amori di Ercole(Hercules VS The Hydra)」です。
ハリボテによるヒュドラヒドラ、ハイドラ)は、デザイン自体はそんなに嫌いではありませんが、当然その場を動く事はまったくなく、まるで遊園地などにあるアトラクションのようです。
動かない巨大な敵を相手に主人公が1人で立ち回りする所は、バート・I・ゴードンの「魔法の剣」を思わせます。




アルゴ探検隊の大冒険」などと同様、アルゴナウタイを再び映画化した「I Giganti della Tessaglia(Giants of Thessaly)」です。
映画に登場するサイクロプスは、殆ど生身の人間が特殊メイクで演じる事が多いですが、こちらは着ぐるみで描かれており、作り物ならではの良さがあります。
何故か殆ど上半身しか映りませんが、理由でもあるんでしょうか?





「Maciste contro i mostri(Fire Monsters Against the Son of Hercules)」です。
後に「キングコング」(1976年版)などを手掛けるカルロ・ランバルディが参加してるそうですが、ライオンのような顔をした首長竜(?)みたいな奴はともかく、最後に登場するオオトカゲのようなモンスターの体のバランス、というかパーツの配置が可笑しいです。
いくらハリボテとはいえ、もう少し何とかならなかったでしょうか?




「Hercules and the Princess of Troy(Hercules vs. the Sea Monster」)です。
個人的にソード&サンダルのモンスターの中では、一番気に入っております。
ハリボテではありますが比較的に動いている方ですし、造形も中々良く、虫を思わせる姿も印象に残ります。
どうやら日本でも怪獣ブームの時に怪獣図鑑で紹介されていたらしく、さらに「モンスターパニックReturns!―怪獣無法地帯」でも紹介されていた為、このジャンルのモンスターの中では一番有名ではないかと思います。



ティーヴ・リーヴスの画像は、第二次ボディビルブームの到来は・・・其の十六 OWNER'S ROOMから(参考にも使った)。


参考
スティーブ・リーブス 元祖ボディービルダー - 究極的筋肉増強剤サプリメント★プロホルモンナビ
Bodybuilderから俳優に,スティーヴ・リーヴス 浮世逍遥録
ボディビルの魅力〜幸福とは年をとってから健康であること - 趣味遊遊
イタリア産マッスル史劇の全貌
アホアホ怪獣図鑑
ソード&サンダル - Wikipedia