昨日は光を持つ者さんのオススメで「駅馬車」を観ましたので、その事について書きます。



1885年頃、アリゾナ州トントからニューメキシコ州のローズバーグへ向かう駅馬車に様々な事情、思惑を持つ8人の人物が乗り込んだ。御者のバック、保安官カーリー、身重のマロリー大尉夫人、酒商人ピーコック、賭博師ハットフィールド、銀行頭取ゲートウッド、アル中の医者ブーン、娼婦ダラス。出発直前に電信が不通になり、アパッチ族襲撃の危険が生じるが、駆けつけた騎兵隊は次の駅までしか護衛しないと言う。出発後間もなく、脱獄囚リンゴ・キッドが殺された親兄弟の仇討ちのため、駅馬車に乗り込んだ。



ジョン・フォードジョン・ウェインというゴールデンコンビによる、西部劇映画の名作。
初めはインディアンに対する人種差別的な表現があると聞いていた為、正直観る気にはなれませんでしたが、淀川長治さんの本を再び読んだ時、初めはお互い知らない者同士で仲が良くないけど、最後は敵を倒す為に一致団結して戦うというストーリーだった事もあって、アニマックス大賞用の作品作りの参考になるかなと思い、観る事にしました。
実際本編を観ての感想ですが、確かにインディアンは敵として登場していますが、「ドラゴン怒りの鉄拳」や「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「バイオハザード4」や5みたいに、他国や他の人種の方々を純粋に悪役として描いているだけであって、別に彼らを差別しているようには見えませんでした。
それどころか、ジョン・フォードは当時かなり苦しい生活を送っていたインディアン達を救う為に、彼らを映画に出演にさせ、さらに白人と全く同じ賃金を支払ったりしたそうです。
実際フォードのおかげでインディアン達は救われ、ジョン・ウェインを初めとするフォードの仲間達は、インディアンと固い友情で結ばれたそうです(他にもウェインが「差別主義者だ!!」糾弾された時でも、「それは違う、彼は偉大な人間だ」と真っ先に彼を庇ったのも、インディアン達だったらしい)。
この両者の熱い友情があったからこそ、あまりにも有名なインディアン達とのバトルシーンが出来たのかもしれません。
実際このインディアンとのバトルシーンは、大変スピード感があって迫力があり、本当に見事でしたからね。
だが本来インディアンを救う為に作られたと言っても過言ではない本作が、今では彼らに対する差別表現がある理由で、本家アメリカでは上映・放送は難しくなっているというのは、あまりにも皮肉な話です。


スタッフ
監督:ジョン・フォード
脚本:ダドリー・ニコルズベン・ヘクト(ノンクレジット)
音楽 リチャード・ヘイグマン、レオ・シューケン
撮影:バート・グレノン
製作:ジョン・フォード
製作総指揮:ウォルター・ウェンジャー
編集:ドロシー・スペンサー
スタント:ヤキマ・カナット(ノンクレジット)
その他:ウォルター・ウェンジャー



キャスト
リンゴー・キッド:ジョン・ウェイン
娼婦ダラス:クレア・トレヴァー
酔いどれ医者ブーン:トーマス・ミッチェル
賭博師ハットフィールド:ジョン・キャラダイン
ブランチャード:ティム・ホルト
キャバレー客引き:ヤキマ・カナット


本編はこちら。ニコニコ動画に原語版があるらしいですが、あえて日本語吹き替え版で観ました↓
駅馬車 1
駅馬車 2
駅馬車 3
駅馬車 4
駅馬車 5
駅馬車 6
駅馬車 7
駅馬車 8
駅馬車 9
駅馬車 10


オリジナル劇場予告編です↓

1枚目はStagecoach (1939) « 1001 Movies I Must Comment On Before I Die!からで、2枚目はSTAGECOACH Screeningから。
参考:漫画のネタどうしよう・・・。 - asabatyouのアキバ系(!?)ブログにある、光を持つ者さんのコメント駅馬車 - みんなのシネマレビュー駅馬車 - Wikipedia映画少年・淀川長治映画 駅馬車 - allcinema