昨日は前から観たかった「The Mole People(モグラ人間/モール・ピープル)」を、YouTubeで観ましたので、その事について書きます。


ストーリー
クエタラ山を学術調査していた考古学者の一行は、不思議な男達に捕まり、地下帝国に連れてこられた。そこには、一行が長年捜し求めていたシュメール人の王国であった。
シュメール人は外界との接触を一切絶って地下で生き続けていたのだ。
彼らは労働力として、モグラ人間という奇妙な生物を使役していた…。


解説&感想
日本では完全な未公開作品な為(劇場公開もなければ、テレビ放送やソフト化もなし)、知る者が少ないマイナーな作品・キャラですが、海外ではあのユニバーサルが作った事もあり、そこそこメジャーだと言われているモンスター映画。
観ての感想ですが、今までにないタイプのモンスター映画でした。
普通モンスター映画といいますと、人間にとって脅威として描かれますが、こちらは完全に地底人に奴隷として働かされており、仕事に失敗したりすると、ムチでビシビシと甚振られる立場の弱い存在として描かれているのが特徴で、しかも危ない所を主人公である人間達によって、2回も助けられる程です。
正直ここまで弱いモンスターは珍しく、他の作品ではあまり見られません。善玉の怪獣やモンスターは沢山いても、人間に助けられたモンスターはモグラ人間のみではないでしょうか?こういう所を考えますと、ひょっとしたら「第9地区」にも影響を与えたのかもしれません。
モグラ人間自身も本当は攻撃的ではない大人しい性格な為か、自分達を助けてくれた主人公達には一切危害は加えず(最初は襲っていたが、あれは命令で仕方なくやっただけに過ぎない)、それどころかまるでお礼を言っているかのような仕草をすると、静かにその場を立ち去り、エンディングでは主人公達を逃がしてくれたりもしました。もし実在していたら、案外仲良くなれるかもしれません。
タイトルの割にはモグラ人間の出番が意外と少なめなのは不満ですが(結構デザイン気に入っているんだが)、今までなかった新しいタイプのモンスター映画を作りたいという意気込みが感じられ、主人公にも好感持てますし、モグラ人間も意外と良い奴らでしたし、個人的には凄く印象に残りました。う〜ん、日本では未公開なのが惜しいです。
最後になりますが、モグラ人間のスーツアクターの1人は、「フランケンシュタインと狼男」でベラ・ルゴシのスタントをやった事で有名な(ロン・チェイニー・ジュニアのスタントをやっていたという表記もあるが、本当の所は不明)、エディー・パーカーだったりします。


スタッフ
監督:ヴァージル・ヴォーゲル
製作:ウィリアム・アランド
脚本:ラズロ・ゴログ
撮影:エリス・W・カーター
編集:アービン・バーンバウム
音楽:ハインツ・ロームヘルド、ハンス・J・サルター、ヘルマン・ステイン
美術:アレクサンダー・ゴリッツェン、ロバート・エメット・スミス
メイク:バド・ウエストモア
特殊撮影:クリフォード・スタイン
モール・ピープルマスク制作:ジャック・ケバン、ミリセント・パトリック


キャスト
ロジャー・ベントレイ博士:ジョン・エイガー
アダ:シンシア・パトリック
ジャド・ベラミン博士:ヒュー・バーモント
エリヌ司祭長:アラン・ネイピア
エティエンヌ・ラフォージネスター・パイバ
ポール・スチュアート博士:フィル・チャンバース
ナザル:ロッド・レッドウイング
一等航海士:ロビン・ヒュージ
モグラ人間:ボブ・ヘロン、エディー・パーカー他(全てノンクレジット)


上が本編で、下が予告編です↓


画像:Poster for The Mole People (1956, USA) Wrong Side of the Art
参考:SF MOVIE DataBank:モール・ピープルThe Mole People (1956) - IMDbヲタキッシュ(日本最北のヲタク) モール.ピープル ビリケン商会シリーズ映画 モール・ピープル(原題) - The Mole People MOVIE-FANあなたの知らない怪獣マル秘大百科モンスターパニック―超空想生物大百科