昨日は借りたDVDの1枚「ゴジラvsデストロイア」を観ましたので、その事について書きます。



ストーリー
バース島が消滅し、ゴジラとリトルゴジラが姿を消した。1か月後、香港に出現したゴジラは従来と違い赤く発光し、赤い熱線を吐きながら香港の町を蹂躙していった。バース島消滅は、その地下の高純度の天然ウランが熱水に反応した結果の爆発であり、その影響を受け体内炉心の核エネルギーが不安定になったゴジラは、いつ核爆発を起こしてもおかしくない状態であった。
同じ頃、東京湾横断道路の工事現場で工事用パイプが溶解するトラブルが相次いで発生。しながわ水族館では魚が突然水に喰われる様に白骨化する怪事件が起きる。その原因は、かつてオキシジェン・デストロイヤーを使用してゴジラを死滅させたとき、海底に眠っていた古生代の微小生命体が無酸素環境下で復活し、異常進化を遂げた恐るべき生物・デストロイアであった。デストロイアは急速に巨大化し、人間大の大きさとなって警視庁の特殊部隊SUMPを襲い、更には自衛隊の攻撃に対して集合・合体し、40メートルの成長体と化して破壊の限りを尽くす。
御前崎沖に、ゴジラより小さい、ゴジラジュニアと呼ぶべき怪獣が出現した。それは行方不明となっていたリトルゴジラが、天然ウランの影響を受け成長した姿であった。バース島を失ったゴジラジュニアは、自らの故郷であるアドノア島へ帰ろうとしていたのだった。
ゴジラは、四国電力伊方発電所を襲撃しようとした際にスーパーXIIIの放ったカドミウム弾を受け、体内の核分裂が制御され始めたため、核爆発の危機を免れる。しかし、今度は体内炉心の温度が1200度に達した時にメルトダウンが発生することが判明。地球が灼熱の星と化してしまう危機が訪れる。もはやゴジラを倒せるのは、オキシジェン・デストロイヤー=デストロイアしかいない。ゴジラデストロイアを戦わせるため、ゴジラジュニアを囮としてデストロイアに向かわせる作戦が提案される。 こうしてゴジラの最終決戦が始まろうとしていた。


解説&感想
平成ゴジラシリーズの完結編で、ゴジラの死を描いた事が大きな話題となった(その事もあり日本は勿論、世界中に衝撃を与えたようだ)。と同時に初代からずっとゴジラを作っていた田中友幸さんの遺作で、伊福部昭さんが音楽を担当した最後の作品(伊福部さんの音楽はその後のシリーズでも使われているが、全て過去作品からの流用である)。
初めてこの内容を知った時、僕はてっきり今まで活躍していたゴジラデストロイアに倒された為、成長した息子のジュニアが敵討ちするという内容だと思っていたのですが(ボツとなったvsゴーストゴジラでは、本当にこういうストーリーになる予定だったらしい)、いざ観てみたら全然違っていた為、驚いた事を今でもよく覚えています。
初代との関わりが非常に強く、デストロイアはかつて初代ゴジラを葬ったオキシジェン・デストロイヤーの化身とも言える存在で、さらに初代のヒロインだった河内桃子さんが同じ役で出演するなど、完結編に相応しいスケールのデカい作品になっていますが、デストロイアが思ったよりあっけなく倒されたり(これなら前作の悪役だった、スペースゴジラの方がまだ強かったような…)、河内さんが後半では出番がなく、あまり重要な存在ではなかったのはちょっと残念です。それでも後の「FINAL WARS」と比べれば、遥かに面白いですが。
さてラストシーンで、ジュニアが新しいゴジラに成長した所で映画は終わり(初めて観た時は、ジュニアは死んだと思っていた為、ラストのゴジラは亡霊だと思っていた)、その後もシリーズがいくつか作られる事になったわけですが、僕としてはジュニアが成長したゴジラを主役にしたシリーズを作ってほしかったです。
あのゴジラなら人類に味方したとしても違和感ありませんし、ヒーローとして活躍するゴジラを思う存分見られたと思いますし、良い意味で他の作品との差別化も出来たと思いますから。
それにせっかく一人前になってくれたのに、あそこで終わってしまうのはあまりにも可哀想です。
多分ファンの方が作ったと思うのですが、本作のその後を描いた作品が存在し、主役のゴジラはジュニアが成長した姿で一応人類の味方として登場しているそうです(詳しくはこちら→ゴジラvsバガン)。
ちなみに本作の悪役であるデストロイアは、本当はちゃんとデストロイヤーという名前にしたかったそうですが、どうも権利関係で揉めた、重複するものが多くなってしまうから、商標登録出来なかったなど、色々問題があったらしく仕方なくこの名前にしたそうです。
しかしこの名前、日本人にとってはそんなに違和感なくても、英語圏の人間にとっては違和感バリバリというか、かなり滑稽な名前らしく、The Angry Video Game Nerd(映画の解説をする時には、cinemassacreという名前を使っている)がすっかりネタにして、面白がっていました(ゴジラがコシラか、コジラやコジワになるようなものか)。


スタッフ
監督:大河原孝夫(本編)、川北紘一(特技)
脚本:大森一樹
製作総指揮:田中友幸
音楽:伊福部昭
撮影:関口芳則(本編)、江口憲一(特技)、大根田俊光(特技)
編集:長田千鶴子(本編)、東島左枝(特技)


キャスト
伊集院研作:辰巳琢郎
山根ゆかり:石野陽子
山根健吉:林泰文
小沢芽留:大沢さやか
三枝未希:小高恵美
黒木翔(自衛隊特殊戦略作戦室特佐):高嶋政宏(当初「ゴジラvsビオランテ」同様高嶋政伸さんが演じる予定であったが、スケジュールの都合が付かなくなったために実兄の政宏さんが演じている)
速水(TVディレクター):村田雄浩
田山孝夫:上田耕一(vsメカゴジラから、スペースゴジラの時とは別人役)
麻生孝昭(Gフォース司令官):中尾彬
国友満(G対策センター長官):篠田三郎(当初、細川俊之さんが演じていたが(細川さんが出演したバージョンの予告編がある)、急病により途中降板している)
山根恵美子:河内桃子
ゴジラ薩摩剣八郎
ゴジラジュニア:破李拳竜
デストロイア(完全体):播谷亮
デストロイア:柳田英一


予告編です↓

1枚目:東宝特撮ポスターめぐり⑧ michi の ひとりごと-ウェブリブログ
2枚目:Is That Your Boy Monster Movie of the Week Godzilla VS Destoroyah (1996)


参考
ゴジラvsデストロイア - Wikipedia
デストロイアとは ニコニコ大百科
ニコニコMUGENwiki - デストロイア
godzillathon 20 22 名物レビュアー AVGNと辿る ゴジラの歴史